令和4年1月21日、大阪市内の分譲マンションに入居するグループホームを運営する社会福祉法人に対して、住居以外の用途を禁止するマンションの管理規約違反を理由にグループホームとしての部屋の使用を禁止する判決が出ました。
社会福祉法人はマンションの区分所有者と賃貸借契約を結ぶことで部屋を借りていましたが、裁判所は、グループホームの入居により消防法に基づく防火対策の規制が厳しくなり、点検や消火設備の設置が必要になることなどを理由に、グループホームの入居がマンション管理規約に反するとしました。
近年、障害者の自立につながるものとして、グループホームの需要は高まり、年々増加した結果、事業所数は1万を超え、15万人が利用するまでになりました。グループホームの2割がマンションなどの共同住宅内にあることから、今回の判決が出たことで、他のグループホームに対しても使用禁止や明渡しが求められないか懸念されます。
敗訴した社会福祉法人は控訴を検討されているそうなので、今後の進行が注目されますが、既に分譲マンションでグループホームを運営されていたり、新たなグループホームを検討されている場合は、法的リスクの軽減のためにマンション管理規約の確認等の対応が必要と思われます。
以上
記事作成:代表弁護士 菅原仁人
記事更新日:2022年1月21日
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